耐水害住宅の疑問に開発者が回答した動画が一条工務店のYouTubeにアップされました

家について

一条工務店の耐水害住宅のYouTube動画がアップされました!

今回は、耐水害住宅の質問や疑問TOP5を動画にまとめたものになります。
是非皆さんも参考にしてください。

実際の動画

動画URLはこちら


5つの質問と回答

今回は、この動画を見て、5つの質問と回答を簡単にまとめました。お時間が忙しかったり、さらっと読みたい方はこちらを先に見ていただいてもいいと思います。

質問①漂流物が建物にぶつかったら?

実験では、丸太などの漂流物がぶつかっても大きな損傷を受けないという結果になったそうです。ただし、家などの大きなものではない限りそこまで大きな損傷は受けないということらしいです。

その要因としては、耐水害住宅は3層構造のガラスを使っているためです。外側は強化ガラス、室内は合わせガラスのダブルバリアとなっているため、漂流物がきても持ちこたえられるそうです。

ただし、動画には「※洪水時に激流となることが予想される区域への建築は推奨しておりません。」とでているので、流れが速いとやはり完璧に防ぐことはできないと思われます。

この3層構造ガラスは、実験時に割ってみてどのくらいの水が入るかも検証したようですが、なかなか割れなくて大変だったようです。大人10人がかりで遠くから鉄の棒などを使って押しながら壊そうとするんですが、1時間かかって家の中に水がちょろちょろ入る程度だったそうです。本当にすごい強度ですね。

質問②建物が地面と切り離されていて地震の時は大丈夫?

実際に浮上タイプの耐水害住宅は、建物が地面と切り離されています。しかし、回答では、地震が来てもほぼ動くことはないそうです。

一般の基礎は地面を少し掘ってから施工し、雨の時に基礎の下の土が流失して建物が傾くのを防いでいます。しかし、建物を固定するという役割はないということなんです。私はてっきり、基礎が地面と建物を固定していると思っていたんですが、それが役割ではなかったんですね。

浮上タイプの基礎は地面にコンクリートの層を敷いて、浮上後の着地場所とします。それと同時に、一般の住宅と同じように基礎の下の土の流出を防いでいます。

要は、建物と地面の摩擦係数の問題らしいです。
ちなみに、摩擦係数が
1の時:全然動かない状態
0の時:ずっと動き続ける状態
となります。

一般的な住宅は、コンクリート+粘性土の場合は、0.3。
コンクリート+砂質土の場合は、0.4。
コンクリート+コンクリートの場合は、0.5となります。

これを見ると、むしろコンクリートの上にコンクリートを乗せる方が摩擦係数高いんですね・・・。

ということで、摩擦係数がほぼ通常の住宅と変わらないため、地震の時も一般住宅と同じくらい大丈夫ということでした。

質問③浮いたら家が傾いてひっくり返ったり、ながされたりしない?

実際の実験では、ゆったりとした浮上だったそうで、ひっくり返ったりはしないようです。その仕組みは、浮上時に大きな傾きが出ないように設計段階から1邸ごとに重心を確認しているそうです。また、間取りによって傾きが発生する場合は、基礎の重量バランスを調整して最適化をしています。

実際に実験では2tの重りをつかって傾きが発生するように実験したそうですが、ほぼ問題なくゆっくりと浮上したそうです。

また、流されたりしないか?という疑問ですが、それは係留装置というものがあり、この装置がガイドとなり建物の位置とバランスを保ちながら浮上しているそうです。そのため、流されることはあまりないといえます。

ちなみに、この係留装置ですが、建物の四隅にあり、テントのペグと同じような役割になります。浮いたらペグ(装置の高さ分)の部分で上下するが、流されないように固定しています。さらに、この装置のお陰で浮いた家はほぼ元の位置に戻って着地します。面白い発想ですよね。

質問④浮いている間に家の下に何か挟まったらどうなる?

この回答としては、もし浮いている状態で何かが挟まって、傾いて着地しても安全に復旧できるということです。

つまりは、そういう構造の家なんですが、やはり浮いた時に何かが挟まることは防げないみたいです。挟まったときにじゃあ、元のように復旧できるようにしようという考え方ですね。

実際の実験でも浮いた時に鉄の塊を家の中に入れて、傾かせています。耐水害住宅は一般的に建物が傾いておこる変形がおこっていなかたのです。
その要因は、
①基礎の立ち上がり部分を通常よりも分厚く設計している
②建物の耐震強度が建築基準法の2倍となっている
ということにあります。

そのため、頑丈な箱のようになり、浮いて何か挟まったとしても、変形しないで形状を維持しているということです。実験では、復旧の様子も紹介しています。復旧も建物を傷つけないようにエアジャッキで上げ、挟まったものを取り除きあとは、そのまま着地させると復旧するそうです。半日で復旧可能ということでした。私個人としては、そんな簡単に復旧できるの?という疑いの目になってしまいますが、実験ではそうだったようです。

質問⑤建物が浮上したら水道管は割れたりしない?

耐水害住宅はフレキシブル給水管を使っているようです。これは、ある一定の浮力で建物が上昇した時に、その力で自動的に給水管の管が外れるようになっています。さらに、通常であれば外れると給水栓から水が出てきますが、この給水管は外れた瞬間に弁が閉まり水が出ることを防ぐと同時に汚い水が入ってくることも防ぐようになっています。排水管も同様の仕組みになっています。排水の方は、建物の中に排水が逆流するのを防ぐために、内側から逆流防止弁がついています。外れてもまたカチッとつけるとすぐにトイレが使えるということらしいです。しっかり考えられていますね。

最後に

あらゆる状況を考え開発して5年の歳月をかけて完成したそうです。もし水害が気になったり、少しでも興味がある方は考えてみてはいかがでしょうか。私が施工した時はこんなのなかったので、少し悔しい部分もあります。今、施工を検討されている方は、チャンスかもしれません。ただ、その土地に合った建物というものはありますので、周りの環境や今までの災害の発生などを調べて検討してみてほしいと思います。

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